2020-01-01から1年間の記事一覧

救急車、愛しい人、雨

救急車の音が聞こえる。 自分は死にたいのに、 それとは反対に生きようと必死になっている人、それを助けたい人がいる。 午前4時すぎ 少し明るくなってきた頃。 愛しいひとが眠るかわいい寝顔をみて。 タバコの火をわけてあげたぼろぼろの服を着たあのおじい…

痛み、そして悲しみが全てだ

死にたい。 もう疲れた、もういやだ。 死にたいなんてこと、普通の人なら思わないのか?それを知ってはじめて自分が異常なんだと思った。死にたいなんて感情が湧いてこない人間なんてあたりまえに存在してて、死にたい感情を理解できない人間なんて沢山いる…

ばらの花たち

ばらの花束が届いた。 段ボールに収まった大きなばらやカーネーションで、ピンク色の紙に包まれたとても綺麗な花束だった。 その花束をみていると、苦しかった。だから、綺麗な川に流してしまえば、花は綺麗なままで苦しさから解放されると思った。 一本一本…

夜の公園、紫陽花の蕾

やめたくてもどうしてもやめられないものがあって なんとかしたくてもできないものがあって はじめからやめる気もなんとかする気もないのかもね 逃げたり誤魔化して過ごしても真っ新にはなれないなあ そんなこんなでもう6月です。

恐怖と希死念慮

僕の前だけの君は好きだけど、僕以外のみんなの、誰かの前の君は、怖いなあと思った。 君は僕とは違う家庭で育って、違う学校に行って違う時を過ごしてきたんだから、君が何を考えているかなんてわかるはずもないけど、理解したいのに、知りたいのに。エゴだ…

太陽の手、月の背中

薄暗い部屋の明かりに、ぬくもりのある太陽の手に緩く触れた。 僕は、何をしたいのかがわからないから、君が楽しそうで笑ってたらいいなと思った。 夜中に潰れそうになって、どうしようもない時、月の背中を見た。 急にどこか他人のような冷たさがひっそりと…

徒歩30分

似合わないスーツには少ししわがよっていた。 近所の野良猫はあくびをしていた。 川沿いの桜の蕾は少し膨らんでいた。 このまま電車に乗り続ければ君の街まで行けるのになと思ったけど、結局降りて家に帰った。 今なら、あの時のあなたの気持ちもわかるんじ…

最後の日

インスタもスマホも大っ嫌いだけどなんかずっと捨てられなくて、ズルズル見てて、だって現代っ子だからねえって。みんなが幸せな時間とかを送ってくれるのが好きだなあ。 深夜に起こしてごめんねって心配かけて、ごめんねって。 やりたいなあってひそかに思…

無題

「僕は先に行くね」 そう言うと、君は少し傷ついた顔をして黙り込んだ。 なぜそういう顔になったのかわかったし、僕のせいだったし、気づいていたけど気づかないふりをした。 僕は不安で仕方なかったのだ。 それで君の優しさに甘えていたのだ。 君の目をまっ…

僕は幽霊になった

幽霊になればあなたの気持ちがわかると思った。君が何を考えているのかわかると思った。あのひとの優しさはいつも静かで、繊細で、でも崩れることはなかったから。 僕は幽霊になった。 君のつむじが見えた。ボサボサの長い髪を大きめのマフラーにうずめて、…