ふたご座

僕らの人間関係なんて、ちょっとしたことであっけなくおわる。いつの間にか消えて忘れてしまうことだってあり得る。

崩れる時なんて、一瞬で。それは、ほんとうに些細なことで。それは、そんなに重要なことではなかった。

ふたご座流星群は、去年も見られなかった。

今年も曇ってるし、月も街も明るすぎて星すら見えなかった。

ただ、錯覚のようにひとつだけ目の端を流れた気がした。幻だったと思うけど、君の幸せを祈った。


僕らは不安定で、ふたご座でもないし、ふたご座だったらよかったのかもしれないけど、ふたご座であることはそんなに重要ではなかったから、この時間がずっと続きますようにと願った。

雪は降り続けた。ずっと止まなかったし、大粒の雪が重々しく降り続けていて、あたりは真っ白でなんにも見えなかった。このままよく見えないままで、雪が降り続けばいいのにと思った。